2021年度1月号 主題「じっくりと」

子よ、しっかりしなさい。

マタイ9:2

 新年おめでとうございます。ある時、イエス様のところに中風の人が連れて来られました。中風とはギリシャ語の「パラリュオー」という言葉で、「ぐらぐらに緩める、弱くする」を意味し、英語の「パラライズ(麻痺する)」の語源となる言葉です。日本語では伝統的に中風と訳されてきました。脳出血などの脳血管障害によって身体の半分又は一部が麻痺したり、感覚障害・言語障害が起こったりする病です。当時は、病は悪霊の仕業と考えられていたため、この人は疎外と隔離の対象だったと考えられます。しかし、彼は寝に寝たまま友人によってイエスの所に連れられてきました。彼らの信仰を見たイエス様は、「子よ、しっかりしなさい。」と語りました(他の訳では「元気を出しなさい」)。「子よ」は、わが子以外に対しては福音書でほとんど使われていないので、イエス様が「大丈夫だよ」とやさしく語ったのが分かります。その後、イエスは「あなたの罪は赦された」とも言いました。当時、罪を赦すことができるのは神のみと考えられていたので、イエス様は中風の人を癒すことによってご自身が神であることを表しました。
 いよいよ三学期が始まりました。この一年もイエス様は私たちを「心にとめて」くださいます。そのことを園児たちと共に覚えて、喜びと感謝をもって過ごしていきたいと思います。互いや自然に心をとめながら、冬の自然を体験し、お正月の遊びなどの新しいことにも興味を持ち、友達への信頼を重ねて遊びを共に作り上げる素晴らしいひと時となることを期待しています。今年もよろしくお願い致します。

川井信雄


 新年おめでとうございます。2022年も子ども達またご家庭の皆さまとご一緒に豊かな毎日をと願っています。本年もよろしくお願いいたします。
 少し話は戻りますが、学期末に、『ごあいさつをすすんでしましょう』という話しを子ども達としました。年末年始は子ども達が頂きものをする機会も多いですね。そのような時の「ありがとうございます」のあいさつや日々のあいさつ、そして新年は新たな気持ちで新年のあいさつを交わすことは日本の美しい文化です。その一方で「ほら、ごあいさつして!」「おはようございますは?」と言う大人、子どもは伏目勝ちにモジモジ…そこで大人が「もうっ!」…そんな姿もよく見かけます。あいさつも仕方を教えることはとても大切です。けれどあいさつは形だけでなく相手への親しみや敬意が自然に表れて起こるものでもあります。子ども達にはまずその気持ちに気付いてもらいたいものです。では、どうやって?簡単です。大人が気持ちよく心を込めて挨拶を交わすことです。何かと「踏み込みすぎないように」と神経を尖らせる現代にあって大人同士、どのタイミングで声をかけるか慎重になることもあるでしょう。けれど幼稚園の中では遠慮なく挨拶を交わしましょう。そして是非我が子以外の子ども達に「○○ちゃんおはよう!」「さようなら、またあしたね」と名前を呼んであいさつしてあげてください。親しみをもって挨拶をしてもらう経験が多い程その気持ちよさ、安心感を心に刻み、いつか子ども達からのあいさつとなって出てくるはずです。新しい年みんなで気持ちよく笑顔と挨拶を交わしてスタートできるとよいですね。

大谷真理子