2021年度11月号 主題「深める」

わたしの恵みはあなたに十分である。

Ⅱコリント12:9

 使徒パウロはコリントの教会に宛てた手紙の中で、自分にある弱さを「とげ」と呼んでいます(2コリント12:7)。これはテントのペグなどを指す時に用いられる言葉です。そのため、一般的に、パウロは何らかの肉体的又は精神的に苦痛をもたらす病を持っていたと考えられています。パウロはとげが取り除かれるように、三度祈りました(8)。しかし、復活のイエス様は、とげを取り除くことなく、むしろ、「わたしの恵みはあなたに十分である。」と言われました(9)。更には、「わたしの力は弱さのうちに完全に現れるからである。」とも言われました。そのため、パウロは、それなら「私はキリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。・・・というのは、私が弱いときにこそ、私は強いからです。」と告白したのです(9-10)
 私たちも人生で弱さを痛感することがあります。それは、私たちに足りないもの、欠けているもの、痛みや苦しみを与えるものかもしれません。そのため、私たちは弱い自分や弱さを与える環境に不満を持ったり、それらの弱さは自分にはいらないもの、余計なもの、必要ないものと考えたり、何とかそれらの弱さを補おうとしたり、弱さを持っている自分を隠して、強く見せようとしたりします。しかし、イエス様は、私たちの弱さを含めて、ご自身の恵みは私たちに十分に与えられていると言います。私たちの弱さにご自身の力を現して下さいます。弱さを持つ私たちを愛し、支えて下さるのです。イエス様に寄り頼んで歩みましょう。

川井信雄


 先日はお芋掘り遠足に出かけ、実りの秋を実感してきました。持ち帰ったお芋はもう召し上がりましたか?「スイートポテト作った」「フルーツと煮た」「焼いてベランダで食べた」色々な声を聞きました。幼稚園でも先日からお料理活動を再開しました。お料理は子ども達の大好きな活動です。もしそれが自分の嫌いな食材であっても「作るのだけはやる!」と言っているのをよく聞きます。どんな魅力があるのでしょう?食べるという楽しみ、本物であること、調理過程で変化する食材の様子が面白いこと(バッチリ五感を刺激します。)大好きなお家の人がやっていることを体験し共有できること・・・本当に沢山の魅力が詰まっています。
 「一緒に遊ぼうと言われるけど、時間が無い」「子どものごっこ遊びに付き合うのは正直難しくて」そんな時、子ども達と一緒に家事をしてみてはいかがですか?もちろん子どもとするとなると手がかかることも多いのですが、子ども達は家事を通して満足感を得ながら、大きな社会を覗き、様々な物の見方ややり方を習得します。お料理だけではありません。『洗濯物を白物と柄物に分ける競争』『四角い物を畳むボク、洋服を畳むママ一緒に終わるかなゲーム』などゲーム感覚で楽しんだり、『お父さんはお茶碗拭くね、君はカトラリー担当ね』と同じ仕事を分け合ったりも楽しいですね。一緒に生活を作る中で大人が覚えて欲しいと願うことは大抵覚えてしまいますし、何よりお家の人「ありがとう」が子ども達の意欲を溢れさせます。

大谷真理子