2021年度10月号 主題「はずませて」

あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい。

ルカ10:20

 今月の聖句は、宣教から戻ってきた弟子たちに、イエス様が語った言葉(ルカ10:18-20)の一節です。弟子たちは、「あなたの御名を用いると、悪霊どもでさえ私たちに服従します」と報告しました(17)。しかし、イエス様は「霊どもがあなたがたに服従することを喜ぶのではなく」と言いました(20)。なぜでしょう?弟子たちは「あなたの御名を用いると」と言っていますから(17)、彼らが自分の力でできたと勘違いするかもしれないからではないようです。むしろ、イエス様は「あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい」と示されました。当時、名はその人の本性を象徴するものでしたので、名が天に書き記されているということは、その人が神の民である状態を意味しました。つまり、イエス様は、神の力を表す一時的なみ業を行うことよりも、神の民である永遠の状態を喜びなさいと勧めたのです。また、弟子たちが派遣された究極的な目的は福音を伝えることでしたので(9)、福音を信じた人々が神の民とされたことを何よりも喜びなさいと勧めたのです。
 10月になり、季節の移り変わりを感じさせる中で、幼稚園では運動会やお芋ほりが予定されています。神さまが造られた世界や自然を肌で感じ、神さまの恵みへの感謝を、心と体を「はずませて」讃美や祈りで共に表したいです。お友だちや先生たちと、心と体を「はずませて」夢中になって様々なことに共に取り組み、深め、創り出すことを楽しみたいです。また、「はずませて」と同時に、神さまに愛されていることを、深く、豊かに感じることができたら、何と素晴らしい秋となるでしょう。

川井信雄


 明後日の運動会、子ども達の晴れやかな顔、少し緊張した顔、嬉しい顔、悔しがる顔・・・沢山の表情が見えるはずです。楽しみにしていて下さい。今日は9月の運動会の遊びのエピソードをいくつかご紹介します。運動会ではその日の結果だけで無く、この日までに子ども達が経験したことに最大限の拍手を送ってあげて下さい。 『ドキドキゆり組、忍者で復活』
  障害物競走をするけれど、苦手な物も・・・「頑張った方が良い」「やってみなければできるようになるかどうか分からない」との声も上がるけれど、苦手なことに向き合うことにドキドキ。そこで、日頃遊んでいる忍者修行に障害物を取り込むと「修行だ!」とやる気満々。覆面を付けて網をくぐり、跳び箱を跳ぶ。その内に「あれ、跳べた!」「あれ?10回出来た!」の声。「やっぱり○○ちゃんが言ってた通りだったね。「やってみなければ分からない」って」(うまく出来なかったらどうしよう)の思いにとらわれていたゆり組も、忍者の物語の力を借りて奥に秘めていた力が出てきました。それでも「出来るようにならない!」と悔し涙を流す人を優しくなでる人、「こうしたらいい」と教える人・・・。自分と向き合い、周りに気がつくゆり組です。 『負けると悔しい』
 リレー遊びで走った年少の男の子。抜かれると涙。その後も、最後まで走ったけれどゴールして涙する人、(あの子は早いから一緒に走りたくない)と相手を選ぶ人も。とても素敵です。遊びの中で「負けた~」と言ってつく小さな心の傷は勲章です。その傷をまた遊ぶことで塗り替えていく経験が多ければ多いほど、その人らしい模様になるのです。大人はその涙に拍手を送って見守りたいですね。

大谷真理子