2021年度9月号 主題「心かよわせて」
わたしがあなたがたを愛したようにあなたがたも互いに愛し合いなさい。
ヨハネ13:34
今月の聖句は、イエス様が十字架に架かられる前夜、弟子たちとの最後の食事で語られたみ言葉の一節です。このみ言葉の前に、イエス様は「わたしはあなたがたに新しい戒めを与えます」と言いました。しかし、このみ言葉の何が「新しい」のでしょうか?なぜなら、すでに律法では「あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい」と教えられていました(レビ19:18)。また、イエス様自身もそう教えたことがありました(マルコ12:30-31)。しかし、よく見ると分かるように、この「新しさ」とは、その時までは「自分自身のように」だったのが、ここではイエス様は「わたしがあなたがたを愛したように」と教えたことです。聖書には、「性の愛」、「友の愛」、「親子の愛」などの種類の愛が区別されて記されていますが、ここでの愛は「神の愛」です。それは、神さまがイエス様をこの世に送ってくださった愛であり(ヨハネ3:16)、イエス様がご自身の命を十字架で捧げて下さった自己犠牲と無条件の愛のことです(ローマ5:8)。それは人間的な愛ではなく、奇跡的な愛のことです。
いよいよ2学期が始まりました。神さまがイエス様を十字架に捧げてくださるほどに、私たちを愛してくださっているからこそ、園児たちにも「心かよわせて」、コロナが継続する中で、お互いの健康と安全のために祈り合い、遊びの中で意見の衝突が起こる時も、互いに理解し合い、ゆずり合い、あやまり合い、赦し合って過ごして欲しいなと願っています。神さまは私たちも愛してくださっています。互いに「心かよわせて」愛し合って歩んでいきたいですね。
川井信雄
長かった夏休み、いかがお過ごしでしたか?今年も感染対策に気を遣う日々でアクティブに動くことは難しかったかもしれません。長い休み中どうやってすごそうかと思い悩み、少し大変だったご家庭もあるかもしれません。けれどお家の方と一緒に家族のペースで生活する時間は子ども達にとって大切な時間だったことでしょう。
幼稚園は長い夏休みに、一日4~5時間の保育時間。幼稚園は子どもの楽しい時間なのだから長くてもよいのでは?家族の子育て負担を考えても長く預かってもらった方がゆとりが出来る・・・。そのように考えることもあるかもしれません。確かにそのようなことも現代社会においては幼稚園が担っていく必要があるのかもしれません。けれど、現代の家庭生活を模索しながらも本来の子どもの育ち方を見失ってはいけないとも思うのです。生まれてからの6年間の子ども達の育ちは十人十色です。お散歩一つとっても、道ばたの色々なものを見たり触ったりしながらのんびり進む人と、目的地に向かってとにかく急いで目的の遊具で遊びたい人がいるように、同じ場面でも一人一人が生活の中から得ていく学びはそれぞれです。もちろん3歳になると「お友達と一緒に」や「もっと面白いものないかな」とお家では収まらない好奇心や行動力出てきますから幼稚園での生活や遊びはとても重要です。けれどそれと同時にみんなの中で受けた刺激を自分のペースで噛みしめ、繰り返し、最も安心できるところで分かち合うことで自分らしく身につけていくということが出来るようになるのです。めぐみ幼稚園も新しい道を歩み出そうとしていますが、この本来の一人一人個性的な育ち方を支え、子どもの育ちを第一にするということをこれからも皆さまと分かち合っていきたいと願っています。
大谷真理子