2022年度3月号 主題「信じて進む」

強くあれ。雄々しくあれ。

ヨシュア1:6

今月の聖句は、神が、出エジプトと40年間の荒野の旅路を導いたモーセの後継者として、ヨシュアを立てた時の御言葉です。ヨシュアは、神が父祖たちに約束されたカナンの地にユダヤの民と共に入って行こうとしていました。しかし、そこには土着の民が、日本史の豪族時代のように力を持っていたのです。そこで、神はヨシュアを「強くあれ、雄々しくあれ」と励ましました。それは「自分を奮い立たせて歩みなさい」という自己鼓舞への勧めではありません。「わたしがあなたとともにいる」という信仰への導きでした。この御言葉の前に、神は励ましの理由も語られていました。「あなたの一生の間、だれ一人としてあなたの前に立ちはだかる者はいない。わたしはモーセとともにいたように、あなたとともにいる。わたしはあなたを見放さず、あなたを見捨てない。」だから、「強くあれ、雄々しくあれ。」(ヨシュア1:5) 3学期もいよいよ残り僅かとなりました。園児たちもこれからそれぞれの新しい地に入って行こうとしています。ヨシュアのように、喜びや期待と共に心配や恐れもあるかもしれません。「かみさまがともにいてくれるからだいじょうぶ!」と勇気を得て歩んで行って欲しいなと願っています。私たちも人生の様々な変化を通る時、様々な思いが入り混じり、勇気と平安を必要とすることがあります。「わたしはモーセとともにいたように、あなたとともにいる。だから、強くあれ、雄々しくあれ。」とは私たちにも語られている御言葉です。この御言葉から勇気を得て、歩んで行きたいですね。一年間ありがとうございました。

川井信雄


明るい日差しに春を感じるようになりました。「春が来る」と聞くと、寒さでこわばっていた体が緩みほっとした思いになりますね。そして、節目の先にある新しい生活に胸躍らせるのではないでしょうか。それは子どもも大人も同じです。何より人生で初めての節目を迎える年長さんにとっては、今ある生活が終わることを感じ、まだ見ぬ小学校生活を想像し心揺れているようです。 先日、あるゆり組(年長)さんがさくら組の先生の背中におぶさって過ごしていました。次の日はちゅうりっぷ組の先生の背中…。「珍しいところにいるのね~。いいわね~」と声を掛けられては、はにかんでいましたが、決して背中からは降りませんでした。まるで、幼稚園生活への名残を惜しんでいるように、揺れる心を慰めているように、幼稚園の温かさを確認しているように見えました。新しい世界に羽ばたき、そこで力を発揮する時に何より大切なのが「私はこれで大丈夫」という思いです。そしてその思いは大切にされた温かい経験によって育まれていくのです。このゆり組さんが保育者の背中にその安心や慰めを感じてくれていたのかと思うと本当にうれしい姿でした。めぐみ幼稚園で繰り返しお伝えしているこのことを改めて確認した思いです。そして、今月の賛美『やさしいめが』で歌われている、神様のやさしい目、おおきな手、ひろい心が、いつでも私たちを見ていて、守り、愛してくださっているということを覚え新しい生活を歩んでほしいと願っています。節目によって変わる生活環境の中でにあっても、この神さまの目と手と心は決して変わることがありません。

大谷真理子