2022年度11月号 主題「分かち合う」

私の隣人とはだれですか。

ルカ10:29

今月の聖句は、イエス様とある律法の専門家の対話の一節です。この人はイエス様を試みようとして「何をしたら、永遠のいのちを受け継ぐことができるでしょうか」と尋ねました。イエス様はこの人の動機が純粋ではないことを知っていたので、「律法には何と書いてありますか」と逆に尋ねました。この人は神を愛し、隣人を愛することが律法で最も大切な教えであることを知っていましたが、その真理に生きてはいませんでした。そのため、イエス様は「それを実行しなさい」と命じました。しかし、この人は自分を正当化しようとして、「では、私の隣人とはだれですか」と更に尋ねました。もしかしたら、この人は、神の選民ユダヤ人である自分は当然永遠の命に与ると自負していたのかもしれません。愛すべき人もいれば、ユダヤ人とは犬猿の仲にあるサマリヤ人など、そうでない人もいるのだから、どこまで愛すれば律法を満たすことになるのか、イエス様に言わせたかったのかもしれません。そこで、イエス様は、強盗に襲われて傷を負ったユダヤ人を助けたサマリヤ人の譬を用いて、「隣人は誰か」と問うことではなく、「隣人となる」ことこそが隣人を愛することであると教えました。

今月、神様の恵みである収穫を感謝して礼拝し、「分かち合う」時を持ちます。また、多様性に溢れる友だちとの遊びの中で、日々思いや考えを互いに「分かち合う」を通して、「隣人になる」ことを学べるのは、何と貴重な経験をしていることでしょう。私たちもどんな人とも「隣人になる」愛と力を神様から与えられて歩んでいきまたいですね。

川井信雄


先日は秋の収穫お芋掘りに皆さんと一緒に出掛けることができ、楽しいひと時になりましたこと、感謝しています。今、子ども達は秋の実りをどうやって食べるかを話しながら楽しみにしています。  めぐみ幼稚園ではこの時期、美味しいものをいろいろ作って食べます。先日、年中組はどんぐり団子を作りましたし、これからのお芋料理にカレーの日、突然始まるかりんジャム作りなどもあるかもしれません。お料理を子ども達とすることで、子ども達は多くのことを学びます。私たちの食べるものが神さまによって創られた自然の中から来るということは、素材に様々な手が加わってお料理になる過程を体験することで、実感をもった知識になります。お料理の過程で衛生的に作業すること、注意深く道具を扱うこと、自分のできるところとまだ難しいので大人にやってもらうところ、食べさせたい人を思い浮かべて作る心持ち、食材の臭いや手触り、調理することで変化していく様子、そして最後に来る「美味しい!」「一緒に作って食べるとなお美味しい!」という感動。お料理の活動には子ども達の毎日の遊びの中で経験することがギュッと詰まった学びの宝箱です。人として根本にある「食べたい(食欲)」という感覚と結びついた活動はきっと子ども達の心と記憶にしっかりと刻み込まれます。風化すると剥がれ落ちてしまうメッキのように貼り付けた学びではなく「食べたい!おいしかった!嬉しかった!大変だった!」という感情とともに刻み込まれた学びです。この秋もめぐみ幼稚園全体で「美味しい!楽しい!」を実感しながら豊かな秋の日々を過ごしていきます。

大谷真理子