2023年度11月号 主題「深まる」

地はあなたのもので満ちています。

詩編104:24

今月の聖句の前には、詩人は、「主よ、あなたのみわざはなんと多いことでしょう。あなたは知恵をもってそれらをみな造られました。」と歌っています。「多い」は沢山、一杯などを意味します。ここでは「神は沢山造られた」ということだけではなく、「神は沢山の種類を造られた」ということを示します。神にとって最も簡単だったのは同じ種類を多く造ることだったでしょう。しかし神はそうしませんでした。そこに神の愛が表されています。また、神は「知恵をもって」造られました。それは単に「神は凄いものを造られた」ことだけではなく、「神が造られたものには神の凄い知恵が組み込まれている」ことを示します。更には、「みな」とあるように、神が造られたものは互いとの調和の中で生きています。

ウグイの生態について学んだことがあります。ウグイの中には一生同じ川で過ごす種類もいれば、川で生まれた後、子どもの時に海に行って成長する種類もいます。驚きなのは、海で成長したウグイは、卵を産むために自分の生まれた川に戻ります。なぜ自分の生まれた川を覚えているのかは、まだ解明されていません。ウグイは凄い生物ですが、ウグイを造られた神はもっと凄い方です。 私たち一人一人も、神の愛と知恵によって、唯一無二の存在として、互いとの調和の中で生きるように造られています。少しずつ秋も深まる中、園児たちには自分が唯一無二の大切な存在であり、時として互いとの違いから生じる葛藤を経験しながらも、互いを尊重して互いとのつながり、又、神と自然とのつながりをそれぞれ深めてほしいと願っています。

川井 信雄


運動会ではたくさんのご協力をいただきありがとうございました。子ども達の持てる力が十分に発揮され、お家の方々と一緒に楽しむことができた格別な一日になり、正にハレの日でしたね。 めぐみの運動会は特別な練習はほとんどしませんし、遊びの中でそれぞれのペースで頑張ったり、楽しんだりして迎える運動会です。ですから差ほど頑張っているようには見えない…と思うかもしれませんが、いつでも精一杯の力を発揮したい意欲に溢れている子ども達、みんな楽しみながらも頑張っていました。その証拠に運動会明けの日は、それまでの躍動的な幼稚園から打って変わり、のんびり楽しむ姿がありました。思いきり水遊びに興じる年長さんを「どれだけ頑張っていたかが伝わるね」とほほえましく思い、それと同時に運動会というハレの日と緩やかなケの日を見事に使い分ける姿に頼もしさも感じました。ハレの日の後のこの緩んだ日々、実はここがとても大切です。この穏やかな日々の中で、運動会の刺激から新たな挑戦を始める人、年長さんのようにやってみようと動き出す人、同じルールで進めようと話し合う姿が板についていくグループ、「年長になった時にさ~」とクラスでの団結を確かめるような遊びを始める人…と確実にあのハレの日に向かった経験が、実りとして見えています。思いきり楽しんだり、華やいだりする日の後には、その経験を噛み締めたり、振り返ったり、利用したりをそれぞれのペースで繰り返せるケの日があることが育ちを支えるのです。行事の多い2学期ですが、格別に楽しい日と同時にいつもの一日も大切に過ごしていきたいと願っています。

大谷 真理子

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