2023年度10月号 主題「つながって」
一つの群れ、一人の牧者となるのです。
ヨハネ10:16
今月の聖句の前で、イエス様は「わたしは良い牧者です。わたしはわたしのものを知っており、わたしのものは、わたしを知っています。」と言いました(ヨハネ10:14)。ここでの「知る」とは、知識として知ることではなく、関係として知ることを意味します。イエス様が私たちを知り、私たちがイエス様を知るところには愛のつながりがあります。イエス様は私たちと愛のつながりを持つことを望んでいます。そのため、私たちがイエス様を知るように導いて下さいます。イエス様は「わたしにはまた、この囲いに属さないほかの羊たちがいます。それらも、わたしは導かなければなりません。」とも言いました(16)。「導かなければなりません」という表現にイエス様の私たちへの強い愛を知ります。イエス様に招きに応えて聞き従う時、私たちはイエス様を「一人の牧者」とした「一つの群れ」とされます。それは、ある話に似ています。羊飼いたちが羊たちと共に夜を洞窟で過ごした後、朝になって羊から少し離れたところに立ち、羊を呼び始めると、羊たちが一匹一匹、羊飼いのほうに来たそうです。 ちょうど羊飼いたちが羊たちを一匹一匹呼んだように、イエス様は私たち一人一人を名前で呼び、ご自身との愛のつながりへ招いてくださっています。イエス様の声に聞き従いながら歩みましょう。園児たちにも、神様が「つながって」くださっていることを覚えて安心して過ごし、イエス様の愛のうちに、先生たちや互いと「つながって」、体を動かすことを楽しみ、様々なことに試行錯誤しながら挑戦してほしいなと願っています。
川井 信雄
先日、園庭で盛大に水遊びをしていたゆり組さん。夏真っ盛りという様子の中、誰かが「見て!空!」と声を上げました。見上げると暑い空気のずっと上に一面のうろこ雲です。「秋ってこと?」とゆり組さん。その場にいたみんなで空を見上げて、そこまで来ている秋を感じたひと時でした。そして、この「秋だね~」としみじみするゆり組さんの言葉にとても実感がこもっているのでした。きっと生まれてから5年、6年の生活の中で、「秋」という言葉に重ね合わせる経験をしてきているからこその「秋だね~」だったと思います。雲の形、落ちる木の実での楽しい遊び、急に長袖が着たくなった日、のびる影…「秋」を実感するそのような経験が子どもの言葉を生きた言葉にしているのです。
子どもの育ちを考える時、ついつい言葉の育ちに目が行きがちになります。たくさんしゃべる、難しい言葉を使いだした、言葉遊びができるようになった…もちろん、知らない言葉を新しく知っていくことは、子どもが世界を知る窓を広く、大きく開いてくれるものですが、その言葉を豊かにしていくのは、その言葉と結びつく体験なのではないでしょうか。
運動会が終わると秋本番、入園、進級の頃の可愛らしい子ども達から、一回り大きくたくましく、そして言葉数もそれぞれの年齢なりに急激に増えてくる時期になります。子ども達との楽しいお喋りとともに、おしゃべりしながら世界を見渡し、手作業をし、思いを分かち合う楽しい体験も積み重ねていきたいですね。
大谷 真理子