2025年度5月号 主題「なんだろう」
野の花がどうして育つのかよく考えなさい。
マタイ6:8
今月の聖句は、「山上の垂訓」と呼ばれているイエスさまの説教の一節です。イエスさまは、神さまが野の花を装ってくださっていることを教えました。野の花は、人間のように着る物のことで心配しながら働いたり、紡いだりしません。それでも、きれいな花を咲かせ、見る者の目を喜ばせてくれます。それは、神さまが野の花の中に成長の力を、自然界の中に野の花も含む食物連鎖をデザインし、創造したからです。野の花の中にある力や自然界の調和の不思議に驚かされます。しかし、イエスさまはもっと大切なことを教えられました。それは、神さまにとって私たちは野の花よりももっと価値があり、神さまは野の花以上に私たちに良くしてくださるということです(26、30)。だから、「明日のことを思いわずらわずに、私たちを愛し、私たちの必要をすべて知っておられる神をまず求めなさい。そうすれば、すべて必要なものは添えて与えられる」と教えました(31-33)。 5月は木々が青々と生い茂り、野の花が咲き誇る季節です。園庭でも藤棚が花を咲かせ、甘く爽やかな香りを漂わせることでしょう。園児たちも様々な生き物との出会いの機会があるでしょう。それらの中には、「なんだろう」と、初めて見るもの、触れるもの、におうものなどもあるかもしれません。自然の不思議と共にそれらに表されている神さまの愛を感じてもらえればと願っています。神さまは、自然の不思議をも通して、私たちを愛し、養ってくださることを伝えようとしています。野の花を見ながら神さまの愛をぜひ感じてみましょう。
川井 信雄
春の日差しの中、めぐみ幼稚園全員そろっての賑やかな声が響くようになりました。遊ぶ声は格段と元気です。めぐみ幼稚園の生活の中心は「礼拝」と「遊び」です。幼稚園の「遊び」というと運動遊び、リズム遊び、製作遊び…と大人が経験して欲しいことに「遊び」という言葉をつけて、いかにも子ども主体の活動のように語られるものも多いですね。もちろんこれらの活動も子ども達が世界を広げていくきっかけとして大切な時間です。けれど『本当の遊び』は、何かの成果を求めず、いつ、どこで、何を、どのようにするのか?ということが自由なものです。めぐみ幼稚園ではこの『本当の遊び』ができる限り実現できるように遊びの時間を充分にとり、園内であればほとんどの場所で遊べるように整えています。自分で選択し決めたことこそが熱中できる遊びになるのです。そしてその熱中の始まりは(面白そう)(これ、どうなってるの?)(集めたい)(触りたい)(一緒に)と心動かされるところからです。 今年度の教職員のテーマは『子どもから湧き上がる遊びを捉えよう』としました。大人はとかく(この遊びが始まるように準備しよう)(この展開にもっていけば、協力を学ぶのでは)などと大人が遊びを選び、成果を求めてしまいがちです。結果として熱中する遊びの先には大きな育ちがあるのですが、そればかり考えていると、子どもが新鮮な目と心で面白さを発見し、自分らしくアプローチしている小さな動きが見えなくなってしまうのではないかと思うのです。一人ひとりの個性的な感性で見つけた喜びを、大人も一緒に喜び、楽しみ、必要な時に支えるという生活を積み重ねていきたいと思っています。園の廊下にはそんな子ども達のドキュメンテーションが不定期に掲示されています。園児礼拝、父母礼拝においでの際などに覗いていかれるのも面白いかもしれません。
大谷 真理子