2023年度3月号 主題「かみさまありがとう」
主よ、あなたの道を私に教えてくださ
詩編86:11
この詩篇は祈りの詩です。詩人は緊急性を要する苦難の中にいたようです。神が大いなる方であるからこそ(詩篇86:8-10)、あなたの道を教えてくださいと祈っています(同11節前半)。心を一つにしてあなたの道に従っていくことができるようにしてくださいとも祈っています(同11節後半)。ここでの「道」とはこの世における神の御業の行い方です。「心を一つにして」とは神への純粋な信頼です。その後、詩人は神の救いへの感謝と讃美をささげています(12-13)。つまり、神は私の願いに応えてくれると信頼して感謝しています。この詩は三つの大切なことを教えています。1)神の道を理解することの大切さ。願いには信仰が必要です。信仰こそ願う時の力となるからです。そして、信仰は神の御言葉を通して与えられます。2)神の道を生きることの大切さ。願いがどんなに応えられても、私たちが神の道を自分の生き方に反映させなければ意味がありません。3)私たちの心を純粋にしてもらう大切さ。二心の人の願いは神に聞かれません。その人の全ての行動に安定もありません(ヤコブ1:5-8)。神に対する純粋な信頼は、私たちが神の道に生きる力となります。 今年度も一年を通して、園児たちや皆様と共に神の御言葉を学ぶ機会が与えられたことを神に感謝しています。私たちの心に蒔かれた御言葉は、必ずや人生の糧となります。神を純粋に信頼して、御言葉を心に留め、感謝をもって御言葉を学び、御言葉に生きるならば、神は私たちを祝福し、私たちに試練をも乗り越える力を与えてくださるでしょう。一年間ありがとうございました。
川井 信雄
今年度も残すところあと少し、子ども達はどのクラスも自信に満ちた顔で遊んでいます。年少さんはこの一年で、「幼稚園は大丈夫なところ」と心に刻み、楽しいことを見つける目を思う存分使えるようになりました。年中さんは見つけたものに一生懸命関わり、「こうしてみよう」「ああしてみよう」と手を動かして試してみました。年長さんは「僕はこれが得意」「○○君はすごいね」と自分と向き合い、お友達のことも受け止め一緒に生活する仲間を得ました。それぞれの年齢らしく自分作りをしてきた1年だったと思います。
では、一人ひとりは?その育ちの様子は全員違います。育ちを考える時、一人ひとりの違いの素晴らしさを感じます。まず一人ひとりが持つ個性的なアンテナ。(何を面白いと感じるか)(何で美しいと感じるか)(何を知りたいと思うか)という心のアンテナはもともと違うのです。そのアンテナで感知したことに夢中になる中で(僕はこうしよう)(私は、これはしない)それぞれが決めていくのです。この自分らしい決断がその人らしさを作るのですから、それぞれが違う素敵な『only one』となるのは当然と言えば当然のことです。 子どもの育ちを見る時に(あれができるようになったか)(みんなと大体同じか)が気になることも多いかもしれません。けれど本来の育ちを見る視点は『その人らしく光っているか』ということだと思うのです。これから、新しいステップを迎える子ども達をどうぞ『らしさが光っているかな?』という眼差しで見ていきたいですね。大きな世界に羽ばたいても、神様が下さった唯一の(私らしさ)を誇りに日々歩んでくれたらと心から祈っています。
大谷 真理子