2023年度2月号 主題「わかちあう」

喜んでいる者たちとともに喜び、泣いている者たちとともに泣きなさい。

                                                      ローマ12:15

新年最初の聖句は、使徒パウロが当時のローマの町にある教会に宛てて記した手紙の一節です。神にある純粋な愛が、どのように他者の喜びや悲しみに対して表されるかを教えています。

「共感」と「同情」には違いがあることは良く知られています。ある辞書によると、「共感」とは、他人の体験する感情や心的状態、あるいは人の主張などを、自分も全く同じように感じたり理解したりすること、「同情」とは、他人の感情、特に苦悩・不幸などをその身になって共に感じることです。

今月の聖句は神の愛による「共感」を示します。純粋な愛は他者の喜びにねたみや苦々しさで応答することはせずに、心から同じ喜びを共有します。同じように、純粋な愛は心から他者の悲しみを共有し、他者の悲しみが自分の悲しみとなります。「一つの部分が苦しめば、すべての部分がともに苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分がともに喜ぶのです。」(1コリント12:26) 新年となり、めぐみ幼稚園の3学期がいよいよ始まりました。私たちと同じように、園児たちもそれぞれの人生の旅路において、先生やお友だちと喜びや悲しみを共有する経験を通して心の成長が益々与えられることでしょう。私たちの愛はどんなに純粋であっても完全ではなく、限界があることを覚えます。しかし、神の愛は完全であり、限界がなく、神は私たちへの愛をイエスの十字架に具体的に表して下さいました(ローマ5:8)。神の愛を受けながら、共に歩んでいきましょう。新年もよろしくお願い致します。

川井信雄


三学期は日本の伝統的な遊びから始まります。カルタ、コマまわし、凧上げ、羽根つき、だるま落とし等々です。これらの遊びはどれも楽しいのですが「技」が必要なものが多く、「技」を得るためには根気強く取り組み続けることが必要です。これらの遊びは子ども達の心も手先も知恵も伸ばしてくれるものですから、ついつい大人は「やってみたら?」「できたら面白いよ」と誘いかけたくなります。けれど先日コマ回しをしていた子ども達の様子を見ていると、少し紐ゴマに挑戦しても、すぐに指や掌で回すことができるコマにかえて楽しむ姿がありました。既に回せる友達を見て(いいな~)とは思うけれど、結果がでないことに萎えてしまいます。子ども達を動かす力は何だろう…と考えさせられる場面でした。そこで子ども達の話題に上っていたこともあり、伏木さんにベーゴマの実演をしてもらったのです。宝物のような重みのあるベーゴマの格好良さ、力強く回る様子にみんなでひきつけられます。すると、紐ゴマが回せた人はベーゴマに、そしてこれまで紐ゴマに萎えていた人は紐ゴマに挑戦し始めたのです。仲間同士で「ベーゴマを回せるようになりたい!」という思いができたことで、そこへの道筋に根気強く取り組む気持ちが湧いてきたようでした。憧れるということ、仲間と一緒にということが子ども達の大きな原動力になるのだと改めて感じた一コマでした。この3学期、次のステップに向けて期待をもって過ごしてほしいと願う時期ですね。そんな時にもう一度子ども達が仲間と心通わせること、具体的な憧れを持てるようにということを覚えていきたいと思っています。

大谷真理子

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