2026年10月号「交わって」
2026年10月01日
喜んでいる者たちとともに喜び、泣いている者たちとともに泣きなさい。ローマ12:15
今月の聖句の前では、パウロは「兄弟愛をもって互いに愛し合い、互いに相手をすぐれた者として尊敬し合いなさい」と記しています(10)。当時ローマ帝国では、国籍、性別、奴隷と自由人、職業や貧富の格差などによって、人々の間に様々な隔ての壁がありました。唯一、人々が平等な存在として対等に関わることのできるのが、イエスの教えに歩む教会でした(ガラテヤ3:27-28)。しかし、パウロが上記のように記しているということは、そうではない現実が教会内にも存在していたからでしょう。互いに社会的なしがらみを持ちつつ、教会に集まっているからこそ、パウロは共感・一致・平和を勧めます。「喜んでいる者たちとともに喜び、泣いている者たちとともに泣きなさい。互いに一つ心になり、思い上がることなく、むしろ身分の低い人たちと交わりなさい。自分を知恵のある者と考えてはいけません。だれに対しても悪に悪を返さず、すべての人が良いと思うことを行うように心がけなさい。自分に関することについては、できる限り、すべての人と平和を保ちなさい。」(15-18)これは互いに神のあわれみに感謝する時に初めて可能となります(1)。
私たちの間でも気を許すといつの間にか隔ての壁が築かれてしまいます。しかし、それらの衝突や葛藤を通して神のあわれみを経験し、互との関係の中で共感・一致・平和を少しずつ学んでいるのです。園児たちにはこれからも「交わって、楽しんで」共に成長してほしいと願っています。私たちも子どもたちの感じ、経験し、思うことに心を寄り添わせていきたいですね。
川井 信雄
かわいらしい子どもたちの姿から」
始園から2週間。夏の様々な経験を経て、一回り大きく成長した子どもたちの姿、本当に嬉しく感じる毎日です。年長組では友達と力を合わせて映画ごっこ、年中組ではルールを守ろうと葛藤しながら夢中で鬼遊びです。年少組では足が届かなかった三輪車をこげるようになり、颯爽と走る姿は自信満々。そんな子どもたちの成長に出会うとき、大人が気をつけたい大切なことに気づかされる出来事がありました。
先日、年少組の子と夏休みの話をした時のことです。「恐竜を見に行ったよ。骨もあったよ」と教えてくれたので、「どこで見たの?上野?」と尋ねると、「ううん、下の」と返ってきました。周囲の大人は思わず微笑んでしまいましたが、子どもは自分の持っている言葉をめいっぱい使って、一生懸命に応えようとしてくれたのです。また、先日の誕生会で行った「二人羽織」でのことです。私が表、年中M先生が裏を担当しました。M先生は後ろから手を出して私にお団子を食べさせただけですが、年中組の子からは「M先生ずるい!」と声が上がりました。子どもは大好きな人の立ち位置から世界を見ます。大人からすると不思議に思えることも、子どもにとっては素直な心の表れです。
日々成長し、特に言葉が達者になっていく子どもたちと過ごしていると、つい大人と同じ感覚を求めてしまい「どうして伝わらないの?」「何度も言っているのに!」とイライラしてしまう瞬間もありますよね。けれど、そんな時こそ「あ、この子は今、大人とは違う世界を見ているんだな」と、ほんの少しだけ子どもの立ち位置に視点を移してみてください。その小さな捉え直しが、日々のイライラが、すーっと和らぐきっかけになるかもしれません。
大谷 真理子