2025年度6月号 主題「みつける」

求めなさい。そうすれば与えられます。探しなさい。そうすれば見出します。

たたきなさい。そうすれば開かれます。

                                              マタイ7:7

今月の聖句は「求めなさい。そうすれば与えられます。探しなさい。そうすれば見出します。たたきなさい。そうすれば開かれます。だれでも、求める者は受け、探す者は見出し、たたく者には開かれます。」(マタイ7:7-8)の一節です。この勧めは、神は私たちを愛しておられ、私たちの最善を知っておられ、私たちのために最善をしてくださるという真理に基づいています。勿論、探せば、何でも見出せるという単純な教えではありません。しかし、安心して、自由に、探しなさいという、驚くほどオープンな祈りへの招きです。そして、この招きは私たちを愛しておられる神が必ず「良いもの」を与えてくださるという(ルカ11:11-13)、神との信頼関係への招きなのです。 私たちは、この社会の中や日々の生活の中で、探しても見出せないという厳しい状況や、最善と思っていても、実は、分からないという困難に直面することがあります。神は、私たちを、神は必ず「良いもの」を与えてくださるという信頼関係へ招いています。私たちが探す通りのものが与えられるのではないかもしれません。神が与えられたものが私たちの最善とも、その時は分からないかもしれません。しかし、それが「良いものだった!」と気づかされた時には神に感謝を捧げたいのです。園児たちにも、神を信頼して祈り求めることの大切さや、友達や自然との関わりの中で神からの良いものを「みつける」経験を沢山してほしいなと願っています。私たちも神の愛を知り、子どもが興味を広げて様々なことを「みつける」ように手助けしていきたいですね。

川井 信雄


この時期園庭では、毎日誰かが飼育ケースを抱え忙しそう。その中では何かがモゾモゾ。小さな生き物など自然との遊びは、他の遊びと比べ物にならないほどに、子ども達のたくさんの窓を開いてくれます。年少さんがアリを探す姿はまるで自分もアリ。地面を這いずり嬉々として追っかけます。アリ探しに熱中した数日後のおやつでは、おせんべい断面の小さな気泡を見て「ここ、アリのお家かもしれない!」と言い始めます。すると「僕、アリ食べちゃったかも」と言い出し、何人もその気に…。「どんな味?」と聞くと「おせんべいと同じ味だった」と答えるのです。アリに思いを集中し、なりきり、ケースに迎え入れて仲間になったことは、しっかり心に刻み込まれます。だからこそ『小さな穴』という共通点を捉え空想を膨らまし、心の中で遊ぶのです。年中さんでは一時マルハナバチを取るのに熱中。危ない!と思いますが、子ども達にとっては毎年来る仲間であり、怖いものへの興味も掻き立てられます。大人に上手に捕まえてもらい、ケースに入れて観察、しばらくしたら逃がしました。その間、日頃は優しいマルハナバチも危機を感じればオスは刺すことを知り、捕まえられて帰れないのは女王バチが困っているかも…と想像し捕獲は中止となりました。このように子ども達の中にある、空想、思いやり、物の特徴を捉える目、危険を感じる力、そして命と向き合うことなどたくさんの窓を自然は開けてくれるのです。 面白さを入口に深く知りたいと関わり、関わるからこそ特徴と尊さを知り、力強さを感じることで時に自然が脅威となることを想像するための、体験の種を蓄えることができるのです。大人の私達も大自然から遠くなって久しい現代。自然の中で子どもを遊ばせることはハードルが高いと感じるかもしれませんね。まずは小さな自然から…そして時には大自然に!かけがえのない経験を子どもと一緒に楽しんでいきたいですね。       

大谷 真理子