2024年度2月号 主題「響き合う」

私が弱い時にこそ、私は強いからです。

                                                        Ⅱコリント12:20

使徒パウロはコリントの町にあった教会に宛てた手紙の中で、自分にある弱さを「とげ」と呼んでいます(2コリント12:7)。これはテントのペグなどに用いられる言葉です。そのため、パウロは何らかの肉体的又は精神的に苦痛をもたらす病を持っていたと一般的に考えられています。パウロはとげが取り除かれるように、主イエスに三度祈りました(8)。しかし、主は、とげを取り除くことなく、むしろ、「わたしの恵みはあなたに十分である。わたしの力は弱さのうちに完全に現れるからである。」と言われました(9-10)。そのため、パウロは、それなら「私はキリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。・・・というのは、私が弱いときにこそ、私は強いからです。」と告白したのです(9-10)。 私たちも人生で弱さを感じる時があるでしょう。自分に欠けている部分を痛感させられる時、侮辱を受ける時、苦悩を覚える時、痛みや苦しみに襲われる時、困難に直面する時・・・。そのような時、自分自身や自分の置かれた環境に不満を持ったり、弱さは自分には必要ない、余計なものと考えたり、弱さを何かで補おうとしたり、弱さを持っている自分を隠し、強く見せようとしたりするかもしれません。しかし、主は、それらの弱さをも含めて私たちを愛し、支えてくださいます。私たちの弱さのうちにご自身の力を完全に表してくださるのです。だからこそ、私たちの自分の弱さを受け入れ、主にあって互いに「私が弱いときにこそ、私は強いからです」と「響き合って」歩みましょう。

川井信雄


2月『立春』ですが寒さは本番。『春は名のみの♪』を実感しますね。子ども達も年齢があがるほど「寒いから…」と庭に出ない人が増えるようです。もちろんこれは、年齢があがり寒さ、暑さをしっかり捉え、快適な環境を選ぶからです。自分の体を守る行動をとれるようになった証拠ですから、部屋でいる姿も成長を感じます。

けれど、先日こんな姿もありました。竹馬挑戦を始めたゆり組さん。何度も同じ場所で乗ったり、降りたり、バランスを崩したりを繰り返し挑戦し続けます。そのうち「暑い!」と言って上着と園服を脱ぎました。そこにきた友達が「なんでその恰好?寒くない?」と驚きます。「竹馬やると暑くなる」との答えに「じゃあ、やってみよう」と始めます。そしてしばらくするとやはり「暑い!」と言って上着を脱ぎました。その時の二人の顔は何とも言えない充実感と晴れやかさがありました。熱中し体を動かし続けることで、自分の体の中から熱が溢れてくるのを実感したのだと思います。それと同時に挑戦する自分に満足し、一緒に楽しむ仲間とその『暑さ』を共有できたことが充実感をより大きくしたようです。 自然からの適度なストレスは、精神的な耐性を育みますが、どうしても(頑張って)という言葉を連想します。けれど今回の姿を思う時、それだけではありませんね。寒さの中で今しかできない経験に目を輝かせ、心も体も鍛えられているのです。つい「さあ、頑張って!」と外へ誘ってしまうのですが、もっとポジティブに子ども達を戸外へ誘い出したいと改めて感じます。皆さんも戸外で、お子さんと寒さも暑さも共有してみるのはいかがですか?

大谷真理子

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